No.24
「中国語を母語とする日本語学習者によるカラ格主語文の処理メカニズム」 - 穆欣、玉岡賀津雄

要旨
 カラは、通常起点を示す助詞として使用されるが、稀に主語を標示することがある。 本研究では、日本語学習者がどのように日本語のカラ格主語文を処理しているかを、 ガ格主語文と比較して検討した。30 名の中国語を母語とする日本語学習者(日本語能 力試験 N1 合格)を対象に、ガ格とカラ格主語文の正順(SOV)とかき混ぜ(OSV)語 順の文処理実験を行った。線形混合効果(LME)モデルによる分析の結果、ガとカラ 格および語順の主効果が、反応時間および正答率で有意であった。つまり、ガ格主語 文は、カラ格主語文よりも迅速かつ正確に処理されていた。さらに、かき混ぜ語順よ り正順語順のほうが迅速かつ正確に処理されていたので、正順語順を基底構造として 埋語補充解析を行っていると推測される。また、日本語教育では、カラの主語として の使用法を明示的には教えていないが、日本語能力の高い日本語学習者は 80%以上の 正答率というある程度高い正答率を示した。

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The Processing Mechanism of a Sentence with a Kara-subject Case Marker by Native Chinese Speaker Learning Japanese MU, Xin, TAMAOKA, Katsuo
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