No.28
日本語を主専攻とする台湾の大学生が日本語教師に期待すること −日本語学習目的との関係− - 山田美保(名古屋外国語大学大学院生)
日本語を主専攻とする台湾の大学生が日本語教師に期待すること −日本語学習目的との関係− - 山田美保(名古屋外国語大学大学院生)
要旨
本稿の目的は、日本語を主専攻とする台湾の大学生が日本語教師に期待することと、その期待することと学習目的との関係を明らかにすることである。1,165 名のアンケートの回答を分析した結果、大学生が期待することは?専門性と教師としての態度、?学習者への配慮、?学位と指導経験、?人間性の4 つに大きく分けられることが分かった。さらに、本調査対象者の主な日本語学習目的は9 つあり、特に「就職」のためという実利的な目的が最も多かった。加えて、学習目的と教師に期待することとの関係については、一部の目的では違いがみられたものの、主要な目的では、大きな違いはみられず、どのような目的を持って学習していても、教師に期待することはあまり変わらないということが分かった。このような本調査結果を、台湾の大学における日本語教師一人一人が学習者とのインターアクションの取り方を考えるきっかけにしたり、実践の場で活用してほしいと考えている。